けんせつ神奈川668号・2025年11月5日

現場訪問で31現場と賛同書締結

現場から現場をかえる運動続けていこう

 9月17日を中心に全県で取り組まれた現場訪問・現場宣伝行動は、87人88現場(公共13、民間75)を訪問、42現場(公共9、民間33)の所長と懇談しました。「建設技能者の確保と処遇改善、労働災害防止のための賛同書」は31現場(公共6、民間25)で締結しました。神奈川土建から19支部55人が参加しました。

 現場代理人との懇談では、賃金・単価引上げには賛同するが、具体策は持っていないと回答するゼネコンが大半でした。「労務費見積尊重宣言」「価格交渉フォローアップ調査」などが浸透し、多くの現場で請求・要求すれば、賃金・単価引上げが可能な状況が確認できていますが、現場だけでは対応できない実態もあり、「本社が決定」「現場に言われても困る」と答える代理人も多くいました。引き続き、現場から賃金・単価引上げを求めるため、一人でも多くの組合員が自ら請求・要求をしていくことが重要です。

改正担い手3法周知は進むが実効性が課題

 第三次担い手3法は、「原価割れ契約」が禁止となっています。現場代理人からは「(賃金行き渡りは)実効性が必要」との意見があり、「(現場従事者が)声を上げてくれれば賃金が上がる。声を上げてほしい」と組合に対する期待を寄せる代理人もいました。しかし労務費基準の勧告がまだ決まっておらず、大手ゼネコン以外は「検討していない」状況が明らかです。
 引き続き、現場から賃金・単価引上げの声を上げられるよう、現場宣伝や現場訪問、組合内での周知を進めていきます。

現場従事者の処遇改善を訴える川崎支部の仲間

業者間で団結し親会社に賃金UP要求

 10月16日、日本教育会館で開かれた大手企業交渉決起集会で「現場からの報告」をした髙橋豊さん(横浜戸塚支部)の発言を紹介します。

 職種は型枠大工、10人程の小さな会社を営んでいます。型枠大工になりたての頃(昭和56年)、ゼネコン現場でヘルメットはしているものの、安全帯着用の意識は低かったです。現場では意地の張り合いもあり、各職人同士のつながりはスムーズではありませんでした。ちょうどKYK(危険予知活動)掲示が始まった時代です。

 当時の大工手間は1万8000~2万円。新米の私は1万2000円でした。一人前の大工さんは月50万円が当たり前。あこがれました。

 バブル崩壊後、高齢化も進み、労働力も足りていません。近年は物価高です。

 それでも、自分や従業員たちの生活を守るため、賃金アップや労働環境改善を考えてきました。型枠2次業者と情報交換をし、親会社に一人工あたり2000円+消費税の単価アップを要求し、交渉が成立しました。2次業者間の交流、調整、団結の成果だと思います。

全体会で発言する髙橋さん

第82回建設・住宅企業交渉

元請責任果たせ

技能労働者の処遇改善を訴え

25年秋、大手40社の元請企業と交渉

 10月16・17日を中心に「第82回全建総連建設・住宅企業交渉」が行われました。今交渉は今年12月までに完全施行となる、担い手3法改正直前の交渉。中央建設業審議会が策定・公表した標準労務費を全ての業者が遵守し、必要な場合は国交大臣が調査を行い、その結果を公表、中央建設業審議会に報告するとされています。この法改正にともない、下請全体に労務費が行き渡ることに関して、元請である大手企業の責任はさらに重くなり、「2次以降の下請は直接契約ではないので元請として関与できない」といった今までの言い逃れ・責任転嫁はできなくなります。

技能労働者の抜本的な賃金引き上げのために見積りをしよう

 しかし今交渉でも無責任な元請企業が大半で、「発注単価の見直し・引き上げはしているが、技能労働者の賃金が引き上がっていないことについてはわからない」との回答が散見されました。
 2次下請以降の見積書提出状況についても多くの企業が調査しておらず、産業の担い手が減っていく現状に危機感が薄いことが明白であり、今後の大きな課題です。
 組合では見積り書き方学習会の準備をしています。労務費、法定福利費、経費を明確にし、上位企業に請求・要求することが担い手確保に繋がっていくことになります。

鹿島建設と交渉する益田委員長

土建まつり特集

県内各地で1万人が来場

地域に取り組み根付く

 9月下旬から10月中旬までに県内各地で土建まつりが開かれました。来場者3000人を最多に、5会場で9000人の来場がありました。建設従事者の技術を広めつつ、市民のみなさんに喜ばれています。

 10月12日、相模原支部主催の「神奈川土建まつり」を開きました。メインステージでは地元のダンスチームや和太鼓集団、ジャグリング部の高校生、建築ロックユニットバンドなど多岐に渡るパフォーマンスを披露。中央舞台では、渡辺執行委員長が建て方の解説をし、仲間と餅まきをしました。

 相模原支部全12分会と厚木支部、西相支部、相模労連など地元の友誼団体含めて20のテントを設置。飲食関連と重機操作など体験型のブースを開きました。

 昨年は5年ぶりに開催し約3500人の来場者でしたが、今回は周辺の小学校で運動会が開かれ子どもたちが来られない事態となり来場者は約3000人に減少。それでも未就学の子どもたちが多く訪れて、ふわふわドーム(アンパンマン)や工作教室など思いっきり楽しんでくれました。

 松永実行委員長は「みんなが元気に笑顔で来場したみなさんに接していたのが印象的です。多くの来場者を迎え、神奈川土建まつりが地域に根付いていることにうれしさいっぱいです」と報告がありました。

 青年部から声がかかり初めて土建まつりに参加した厚木支部の薄田さん。「こんなに多くの人が集まるイベントを開く神奈川土建って凄い。最後の餅まきも初めてで、接客好きだから店番も楽しかった」と話しました。

最近見られなくなった上棟式を再現

青年部50周年企画

全員が楽しんだチャンバラ合戦

 10月26日、結成50周年記念イベント「神奈川土建青年部半世紀のKISEKI」を開き、全支部から198人(部員59人、組合員45人、来賓・家族等94人)が参加。チャンバラ合戦を行いました。

 チャンバラ合戦は大人の部と子どもの部で行い、大人の部は6軍に分けリーグ戦と決勝トーナメント戦。大人も子どもも、とても盛り上がりました。

 安食実行委員長は「悪天候で延期や会場変更と様々な困難がありましたが、目標に掲げていた『参加者全員が楽しめる50周年』を見事に達成できたと思います」と話していました。

みんな笑顔で楽しんだ

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